砂かけるとピカピカになるの
泥んこ遊びができる場所も少なくなりましたが、泥だんご作りは今も健在です。
土いじりのたのしあ、ただの泥から鏡のような光沢が生まれる以外性・・・。
その魅力も様々です。
吐く息も白い冬の朝。
一月半ば、京都市郊外の東京教育大付属幼稚園で、子供達が手製の凧を手に園庭を走り回っていた。
「おはよう」。
同大教授(発達心理学)で延長で加用文さん(55)が現れた。
子供遊びを研究するうちに、泥だんご作りに魅せられて本やビデオまで出し、今や代理石のようにピカピカに光る泥だんご作る」「達人」だ。 花壇のそばにじょうろで水をまき、しゃがみこんで土をこねだした。「先生だんご作るん?」ちなつちゃん(6)が声をかけてきた。
加用さんがうなずくと、自分も小さなバケツに水をくんできて、隣でこねだした。
「あ〜だんご作ってる」。
たくみ君(6)もやってきた。一人、また一人と輪が広がる。
丸めた泥んこに砂を掛けてはなでる繰り返し。<コツは?>
「うんとね、ちっちゃい石とか、入んないようにするの」とちなつちゃんが言えば、たくみ君は「ちょっと混ぜた方が固くなるよ」。それぞれやり方、こだわりがあって、自分のだんごが一番だ。
作り始めて30分ほど。べちゃべちゃだった泥の塊がだんごらいくなると、みんなが動き出した。
滑り台の下、建物の壁際・・・。
思い思いの場所で、だんごに乾いた砂を掛けている。
「あのね、こっちの方がいいさら粉があるの」。
ちなつちゃんと一緒に居たはるかちゃん(6)が教えてくれた。
手のぬくもり愛着わく
さら粉とは、さらさらな砂のことだ。それで、だんごの表面を滑らかにする。
「めっちゃさらさらの砂掛けると、つるつるになってピカピカになるの」。
手のひらも、土でてかてかだ。「だんごが光んないで、手が光ってきちゃった」
ちなつちゃんは、「一輪車とかも好きだけど、さら粉をかけるのも面白い」。でも泥だんごつくりは幼稚園でのおたのしみだ。「お家の周りはね、泥とか無いの」
昔は道端の水たまり、空き地で、泥んこ遊びは日常だった。
でも町並みがきれいになり、思い切り泥んこ遊びが出来る場所は減った。
「最近は、公園も水はけがいい砂を入れていれているでしょう。ああいうのは泥だんご作りに向かないんです」と、加用さん。
遊ぶ機会が減ったせいか、「泥をさわるの嫌、と言う子も居ますよ」。でもいざやってみるとみんなのめりこんでいく。何がそんあんい夢中にさせるのか。
「土ってね、いじっているうちにだんだん温かくなるんでえす。手のぬくもりがだんごに伝わって、なんとも言えない愛着がわいてくる」。加用さんの実感だ。だからみんあ、卵を抱える親鳥のようにだんごを大事に抱えている。
25日、加用さんは東京都中野区の中野神明小学校に招かれ、1.2年生に泥だんごの作り方を教えた。
「最初に、私の作っただんごを見せますね」。加用さんがタオルをそっとめくって、グレーに光る泥だんごを見せると、校庭に座った子供達は、「ウォー」「すげぇー」。説明が終わると、先を争うように土をこねだした。
人のを見ているだけじゃつまらないので、こちらもだんご作りに挑戦。やってみてわかったのは、丸くしよう、つるつるにしようと焦っては駄目だということ。辛抱強く砂をかけ続けただんごが「すげー、チョーまん丸」と言われたときは誇らしい気分だ。
「はーい今日はそこまで」。
先生の号令が掛かっても、砂を掛ける手はなかなか止められない。子供から大人まで夢中にさせる泥だんご、やっぱり奥が深い。
新聞紙面より引用
posted by ブログメッセンジャー at 18:53| 広島 ☁|
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